前回までで抗がん剤のこと
プロトコールや進め方について書いてきたが、実は最も鬼門となる部分がある。
今回はそれを伝えておきたい。
ここから先、抗がん剤治療が開始される生活となりますが「隔離しろ」「〇〇した方がいい」「私はこうしたからこうした方がいい」のような意見や特に懸念される「抗がん剤批判」等の意見はしてこないで頂けると幸いです。
先生と僕と、みんなで決めた方針で、先生からたくさんデータや統計的な観点、経験則からアドバイスを頂き決めた生活になるので、ご自身の考えを押し付けるようなコメントをされると困ってしまうので、避けて頂けますと幸いです。
皆様が行なってきた抗がん剤治療の生活や考え方を否定するつもりは一切ございません。僕には僕の、そして皆様には皆様の正解があるかと存じますので、それぞれの考え方、として受け入れてお読みいただければ幸いです。
抗がん剤治療は基本自宅療養

前回の記事でも書いた通り抗がん剤治療の根幹は
「治すこと」ではなく「猫自身の幸せな時間をいかにして伸ばしてあげるか」
だ。
つまり入院等をして、大好きな飼い主、大好きな家族と過ごせないなんて言語道断。
それでは本末転倒なのだ。
あくまで注射を含めた通院以外の時間は、できる限り今までの日常を送れるようにしてあげる。
ことが軸になる。
極論、治療がなんの副作用や、問題もなくスムーズに進んでいれば
一週間に一度注射と血液検査の合計30分〜1時間くらいだけ外に出れば、後は普通の生活を送れる、ということなのです。
こう聞くと本当に希望を持って、前向きに、愛を持って、治療を進めることがいかに大事かわかります。
が・・・問題があるのです。多頭飼いだと。
抗がん剤は体外へ排出される
そう・・・抗がん剤は化学物質。
自然界のものではないので体内で消化されて消えてなくなって〜なんてことはないのです。
注射した後数日間は必ず「体外に排出」されます
それは唾液、体液、おしっこ、うんち、いろいろな形でです。
厳密にいうと、シクロフォスファミドは腎臓系なのでおしっこに混ざる、オンコビンはうんこに混ざる、など抗がん剤ごとに気をつけるべき対象が存在する。
のだが、、まあ医学的科学的に、厳密に言えば呼吸しているだけでも気化され空気中に散っている、よだれもダメ・・・あれもダメ・・・
と、本当に100%で対処するのであれば完全隔離をしないと「危険」と言えば「危険」なのです。
ただ、僕の信頼する獣医さんは
とのことでした。
猫の日常
を取り戻す、そのための治療なのに、完全隔離とか、みんなと過ごせないとか、絶対ダメじゃん。
とはいえ!
ほかのみんなに被害があっては絶対的にだめ。
ポポロンも、ほかのみんなも、不安なく、幸せに、楽しく、いつも通りを、過ごす。
これが大事。
そのために、僕ができることを、僕が全力でやればいい。
いや、正直かなりむずすぎるだろ・・・・
これが僕の覚悟だ。
抗がん剤治療で決めたルール
覚悟を決め、自宅での治療で、最大限にみんなに、ストレスのない形を作り上げる決意をしました。
先生と相談し、我が家の抗がん剤闘病生活の絶対的なルール等を決めた
トイレを完全に分ける
まずこれは絶対だった。
なぜなら基本的に抗がん剤はおしっこやうんちから排出されるので、ここは絶対に気をつけるしかない。
猫は毛繕いを行うためトイレで抗がん剤の含まれたうんち等に他の子が触れてしまった場合、後々毛繕い時に舐めてしまう可能性がある。
危険はとにかく回避するためにもトイレは別々に。
億が1にもみんなのトイレでおしっこうんこをしてしまったら砂をそう入れ替え、トイレを丸洗い。
おしっこしそうなムーブを感じたらポポロン専用のおトイレを出してそちらにしてもらい、夜中などはケージで寝てもらい、中にトイレを置いておく。
正直これはなかなかハードな気がするが、全員の安全のためには徹底すべき。
トイレ掃除の時はゴム手袋
本音を言えばスコップすら使わず全て素手で取りたいくらいだが(おい)
抗がん剤の含まれたうんちやおしっこは人間にとってももちろん良くはないので、僕なんていつ死んでもいいんだが(おい)
みんなを守る責務もある都合、しっかり対策。
ゴム手袋、ビニール手袋をして、トイレ掃除。そして捨てる袋も二重に。
100枚入りとかので結構安く買えるので大量買い。何かとあると便利ですね。
僕が寝る時や見ていられない時間がある場合はケージへ

これが大変心苦しい・・・・。
しかし、僕が寝ている間に、みんなと同じトイレにおしっこをしてしまった場合、管理ができない、、、
無論僕の睡眠時間はできる限り削って、ケージで過ごす時間は短くするつもりだが、、、笑
物理的に対応の難しいところはケージで過ごしてもらう。
例えばめっちゃ腹痛で長いトイレに入る!とかそういう場合は申し訳ないがケージへ入ってもらう。
お風呂のように本気出せば2分とかで出れるものに関しては(猫マスターは神がかり的早風呂)監視カメラや、トレッタを総動員して、動きがあったら即駆けつける、というシステムで対応することに。
外出は控える予定だが万が一外に出る場合はケージにいてもらう・・・。心苦しいが仕方ない。
ちなみに、、
今回このケージが大活躍の予感
一番下がトイレ収納になっており、木枠で囲まれているのでおしっこが漏れてしまったり、うんこがコロコロっとケージの外に出てしまったりというのを防げる。

ドアがついていて閉じてしまえばトイレの完全隔離が可能に!
マジ抗がん剤トイレ対策の最適解感ある。

ちょい狭ではあるが闘病中にバンバン動かれちゃう心配もないし、適度な広さも高さもあり、爪研ぎまでついている優れもの。
これは抗がん剤治療時にかなり活躍の予感です。
おすすめ。
抗がん剤3,4日目くらいまでは毛繕いを避ける
みんなとは過ごさせつつも、みんながポポロンの体を舐めてしまうことは気をつけるようにしたい。
一応先生からは
とまで言われているのですが、念の念の念のため・・・・抗がん剤の体外排出率のようなものも論文などで調べ、基本的には3日、余裕を持っても4日目あたりにはほとんど体には残っていないようなので、先生のご意見とその辺の間をとって、ルールとしてみました。
正直先生は「呼吸や毛繕いで他の子に悪い影響はないと言ってもいい。あくまでトイレを気をつけられればいい」くらい言っていました。
トイレ後は換気
こちらも先生にはそこまでする必要はない(猫の体格で息から気化され排出される抗がん剤の量なんて本当にたかが知れてて問題が出るとは考えにくい、とのこと)と言われてはいますが、まあ、シンプルにただなんとなく換気をしたい、というだけっちゃだけです笑。
元々匂いが強ければ換気もしますし、それはそれ、特に猫には負担になりませんし、日常+1って程度です。
無論先生によって考え方があります。「(0.000000000001でも抗がん剤を吸うのはダメです!!的なという考え方の場合)は、完全隔離や他の方法を相談してみてください。そこは僕が言っていたから安心!ではなく、闘病を共にする先生と相談してみてくださいね。
逆に4日目以降はフィーバータイム
抗がん剤が抜け切ったであろう日数を超えた後は、トイレ以外は気をつけることもなく、みんなで楽しく過ごす!
トイレだけはで気をつけられるだけ気をつけていこうと思う。
こちらも先生や、抗がん剤に対してかなり意識の高い方なんかだと「100%抜け切るわけがないから治療中は一生隔離!という方もいらっしゃるかもしれません。そこもまた考え方かなあと思います。
全てのことを100%は無理でもできる限り100%に近づける

トイレを別に、数日だけでも他の猫に毛繕いさせない・・・ってだけでも今までからしたら正直100%の生活ではない。
しかしできる限り100%に近づくよう、こちらで対応できることはやってあげたい。
本当にこの辺は先生ごとに考え方も違うようで
「トイレなんてわけなくても、他の子が触らないようにできるだけ早めに掃除すればいいよ〜」ってレベルの人もいるくらいらしいですし(正しいかはわからん笑。)
逆に「完全隔離が基本です!部屋を分けるどころかもう一室借りろ!」みたいなQOLガン無視タイプもいます。
きっとそれぞれの家庭ごとにいい塩梅の、間が、あると僕は思っています。
呼吸器からの気化排出まで本当に重く考え出すなら
動物病院の待合室で、抗がん剤治療で通ってる子が同じ空間にいたら、その子の呼吸で全員ガンになっちゃうの・・・?という話に・・・。
普通に動物病院で並んでいれば絶対にたくさんいます。抗がん剤治療している子。その子が毎週土曜に来ていて、自分も土曜に来ていて一時間二時間と待合室で待ってる間は同じ空間で同じ空気吸ってるわけですからね・・・
だからと言って「だから平気平気」というのもまた違いますしね・・・。本当にここは個人個人、そして先生との考え方を尊重してください。
もし抗がん剤で悩む方がいたら、このブログでは「情報」というよりも「考え方」として少しでも参考になれば幸いです。
猫マスターが抗がん剤は平気って言った!とかならない様にしてください笑。
発がん性とかを言い出したらどこまで何をどの程度気をつけるのか?ってのは本当に難しい話なので・・・(焦げた肉食ったらがんになる・・・みたいな話、というと怒られそうですが、例えるならそんな感じです笑。)
どうにかなる。後は生活を少し変えるだけ
抗がん剤プロトコールを始めるにあたり、自分ルールは考えた。
後は、それを実行するだけだ。
抗がん剤についてのお話が長くなってしまったが
それらの説明を受けたのち
いよいよ
一本目の注射・・・・
L-アスパラギナーゼを打つこととなった。
・・・
え?いきなり知らん抗がん剤出てくるやんけ
L-アスパラギナーゼとは
L-アスパラギナーゼはCOPには入っていない抗がん剤なのだが、近年の抗がん剤治療ではCOPの最初の段階で打つことで効果が上がるとされていて、併用されることが多いらしい。
またもやめっちゃ簡単にお伝えすると
他の抗がん剤に比べて即効性がめちゃくちゃあり、相性が良ければ大きい腫瘍も一日二日でめちゃくちゃ小さくなるらしい。
しかし、効果の持続性があまりないらしく腫瘍が5日〜一週間ほどで元の大きさへ戻ってしまう。(体質差あり)
え?じゃああんまり意味なくね!?と思ったのですが、、
一度腫瘍を小さくしておくことで・・
「元々大きな腫瘍を徐々に小さくしていく」というステップを飛ばし
あたかも元々腫瘍が小さかったかの如く治療をスタートすることで「小さい腫瘍をゼロにする」という感じでスタートラインが切れる、的なイメージ。
L-アスパラギナーゼを初日に打ち、腫瘍を一瞬でもいいので一気に小さく!
そして、数日後、数値等に問題がなければその小さくなった腫瘍に対して
COPプロトコールを開始!
という必殺コンボである。
確かに小さくなった状態をスタートとして、毎週ゴリゴリ打って行ったら効果強そう。素人目に見ても。
グッシャグシャシワシワのワイシャツをアイロン掛けするより、その前にビシッと干してそもそものシワが少なくなってればアイロン掛け楽だよね!的なね!(例え下手すぎ)
あ!洗い物の時一旦お水につけておいたらいいよ!的な感じだね!!!(なぜ例え続けたい)
僕の下手くそな例えはともかく・・・
アスパラギナーゼは割とどんな子でも副作用も少なく、安心して打てるらしい。
とはいえ、何があるかわからない。
緊張の一発目。始まってしまう。
闘病が。抗がん剤が。
副作用激しくでたりとか、、、
腫瘍に全く効果がないとか、、
そういうの・・・やめてくれ・・・
いよいよ
ポポロンの抗がん剤治療
始まります。

祈りもする。でも祈るだけじゃない。
僕に、任せろ
次回
「我が家から猫圧が消えた日」Day1
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このブログは僕自身の精神を守るため笑、取り乱して文脈や情報がごちゃごちゃにならないようその日その日、当日に書き綴ったものを後日修正し、時系列をずらして書いております。
闘病の当日に書いた日記や想いをもとに少しでも読みやすくなるよう丁寧に書き直し、一人でも多くの方に伝わるように努めています。
日記を見返しながら書く作業、闘病や辛い想いを2度経験しているようで辛い日もありますが、どんなに辛い日々だとしてもポーチーとの大事な毎日です。
遅筆になり不思議なところで日を跨ぐこともあるかもしれませんが、どうかご容赦いただければ幸いです。
この闘病の経緯を知りたい方は、こちらから読めます。
何か力になりたい!そう思ってくださっている方へ

「どうにかポポロンくん、響介さんの力になりたい!」
その一心から僕が関連している企業様や出版社様へ、お守りや物資をお送りしようと思ってくださっている方が多く感謝の気持ちでいっぱいです。
・・・が、出版社は僕の所属事務所!とかではないため、大量に物資が届いてしまうとお仕事のご迷惑になってしまったり、大変なことになってしまいます。
そこでそれらの対策として、大変心苦しくはあるのですが、処分に困るものや、消費が大変なものがたくさん届いてしまうのを避けるため、フォロワーさんからのアドバイスも受け、お気持ちは「投げ銭」形式で行って頂ければ幸いです。
下記リンクからApple Pay、クレジットカードなどで500円〜お支払いが可能です。
再三お伝えしますが、これは「治療費を分けてくれ〜!」という旨のクラファンのようなものでは断じてございません。
治療費は自分で出します。出せます。投げ銭0でも問題ありません。
あくまで、皆様の善意を受け取る場がご用意できないか「結局何もらうよりもお金が一番応援になるよ!なんでもするよ!」というたくさんのご意見をフォロワー様方から頂けたので現状善意を受け取れる最善方法だと思っております。
気持ち的には「ブログためになったよ〜」的な、読了的な感覚でいて頂けるとなんとなく気が楽です笑。
毎日の様子を投稿できるよう頑張ってまいります。
毎日、読んでね。