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借金1000万作曲家の人生を変えてくれた猫の話 第20話「全猫がウイルス感染。多頭飼い最悪の事態」

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前のお話はこちら

手術を終え、全てがうまくいっていたのに。

まさに、漫画の通り、嘘や誇張一歳なしで

突然全員が吐き出したのだ

は?は??なんじゃこれ?

一瞬パニックを通り越してフリーズした。

ただ全員が同時に吐いたのではない。

「血が混じったゲボ」を、吐いたのだ。

恐怖でしかなかった。部屋中がみるみる真っ赤になっていく。

拭いたら後ろで誰かが吐く、それを拭いたらまた誰かが吐く。

それの繰り返し。

1時間のうちに箱ティッシュを何十箱使ったかわからない。

永遠吐き続ける。

ついでに焦った僕も吐く(落ち着け)

どう見ても感染系の何か、ウイルス関係っぽい・・・。

しかし我が家は完全室内飼い。1秒たりとも外には出さない。

これは僕が猫と暮らすと決めた時点で絶対的に守ると決めたルールだ。

まして僕は玄関で全裸になってからリビングに入る変t・・・もとい、それほど外部からの菌や花粉、アレルゲンへ配慮している。

外からウイルスを持ち込んだとは考えにくいのだが・・・

先生にいろいろお話を伺うと

ウイルスには「キャリア」というものがある

猫のウイルスは色々とあるが、日本で、特に室内飼いで気をつけるべきは

カリシ、パルボ、ヘルペスの三つが有名で、身近だ。

なんなら大半の猫が菌持ってるんじゃね?というレベル。

もちろん怖いものはその他にもいくつかがあるが、、、

とりわけ、ワクチン接種等でこの三つは名前をよく目にするはずなので、名前だけは見たことがある人は多いだろう。

カリシウイルス

このうちカリシウイルスは一般的な猫風邪(結膜炎や鼻炎などの上部気道炎等)はこれが起因していることが多い。

涙が出始めて、瞬膜が薄っすら赤い、ちょっと寝てる時間増えた、など。

あとは意外と知られていませんが、歯周病になりやすくなります。(実は我が家の猫がいくら歯磨きしても歯周病の症状が消えないのはこれが原因なのです、辛い)

ワクチンを打っていて、食欲不振や派手な下痢などがなければ成猫であれば基本的には大体2〜3週間程度で自然治癒することが多い。老猫や子猫の場合涙や下痢などが続くようなら病院に連れて行った方がいい。

ヘルペスウイルス(猫ウイルス性鼻気管炎)

ヘルペスウイルスに関しても、カリシウイルスと同じく結膜炎や鼻炎などの上部気道炎、吐き気をはじめ、食欲低下や涙などがある。

その辺の症状が出た場合これらであることが多い。

が、カリシウイルスと同じく、ワクチンを打っていれば、基本大体2〜3週間程度で自然治癒することが多い。

免疫力の弱い猫だと亡くなってしまうことも稀にある。

野良猫ちゃんとかだと、寒空でこれになると、やはり命の危険はそれなりにある。

このウイルスがきっかけで、放置を続けた結果慢性鼻炎や、慢性的な炎症から腫瘍につながる事もゼロではないのでただの風邪と侮らないように。

パルボウイルス(猫汎白血球減少症)

この3つの中で最もシンプルにやばいのが、パルボウイルス。

「猫汎白血球減少症」や「猫ウイルス性腸炎」などめちゃ怖い字面で書かれる事もあるあり、骨髄や腸管の細胞を破壊して死に至らしめるという映画とかに出てきそうなレベルの怖すぎるウイルス

子猫や老猫がかかると致死性が非常に高いウイルスである。

いっとき、某猫カフェなどで流行りまくり、猫カフェ内の猫たちが大変なことになっていた、ということもありましたね。

特にパルボウイルスは感染力が強く、先生曰く「隔離隔離、ってみんな言いますけど、家が同じならほぼ移ると思った方がいい」とのことでした。

ほぼ回避はできないそうです。そのくらいやばいウイルスです。(三つとも)

ワクチンの重要性

ただなんのけなしに、ワクチンの時期だから打と〜、という感じの人が多いだろう。

「最悪外出さないし、打たなくて良いのでは?」

なんて人もいるだろう。

もちろんワクチンを強制するつもりなどはないのだが、

こうやって、どんな病気に対して効果があるものなのか、など理解できていると、改めていろいろと気をつけようと思えますよね。

生き物と暮らすということは、「知る事」だと思うのですよね。僕は。

「キャリア」とは

そしてこれらが厄介なのが

猫は一度感染すると「キャリア」となり、体内に菌を潜伏させる状態になってしまうのだ。

つまりどういうことかというと、免疫力が落ちている瞬間などに、菌がブワ〜!っと増殖し、体の抗体の処理が追いつかないと症状として、涙が出てきたり、咳が出たり、吐いたり、いろいろしてしまう、というわけだ。

先生の見立てではこうだ

リュックを手術した→全身麻酔と傷口の修復で免疫力が落ちた→菌が暴走→食欲不振に→その菌が全員に・・・(または全員キャリアだったか)

怖すぎます。

元捨て猫のポポロンは大いに可能性ありでした(ちなみに現在ヘルペスカリシ両方のキャリアだということが概ねわかっています)

そしてソラとリュックは同じ日に迎え入れたので、どちらかが持っていればほぼほぼ両方が持っていることになります。

いくらキャリアとはいえ、人間もそうだが風邪を引いたからといって重篤化するのはむしろまれで、「ちょっとした咳」「ちょっとした微熱」で済むことの方が多いだろう。

そしてお家にみんなで住んでいる以上、全員が近しく過ごしていて、時には寒暖差などでそのくらいうっすらだけ、体調を崩していたこともあっただろう。

そのちょっとした咳、とかのタイミングで、他の子にも移してしまっていて全員がカリシのキャリアになっていた結果、リュックの手術をきっかけに大暴走!

という流れだと推測されました。

キャリアは健康でも菌は排出している

ちなみにキャリアの猫は体が元気でも体外へウイルスを排出している事もあるので、外猫を触ってしまい、その菌が家猫に、、、という事もあり得るわけです。

僕が猫カフェ行ったりない理由や野良猫と戯れないのは、それが理由です。

そして玄関で全裸になるのも、これが理由です。決して変態ではない。

あの日のことは思い出すだけで手が震えます。このブログ書いていて涙が出てきます。

そのくらい怖い思い出でした。

そして、この辛い出来事は、まだ序章にしかすぎなかったのです。

次回、

これで終わり、ではなかった

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