前回の記事で書いた通り、我が家は猫が5匹揃い踏み、狭くて大変ながらとても楽しい毎日を送っていた。
そんなある日、ポポロンがクローゼットのドアの上に乗っていた。
どうやら、机→ドア→クローゼットのドアと、サスケみたいな感じで移動していたのだが、とにかくそのクローゼットのドアから僕を見続けている。

最初は「ぶふふ〜!登ったのに降りれないでやんの〜!」
と笑っていたのだが、なんとなく。なんとなく、表情がそうではない気がした。
挙句普通に自分でジャンプして降りて行ったのだ。
いや、じゃあなんの顔やねん・・・
しかし、その理由はすぐに分かった。
5匹との暮らしの限界。

また翌日も、ドアを開けるとクローゼットのドアの上や、リビングのドアの上にジャンプして登ってしまうポポロン。
いや、運動神経えぐいな・・・。
そう思いつつも、何をするでもなく僕を見る。そして降りる。
これの繰り返しだ。
ドアの上に乗るのは危ないな・・・そう思い、ステップがわりにしていた机をドアから遠ざけると夜な夜な「アオーン!!アオーン!!」と「上らせろ〜!」と鳴いていた。
なんだよ全く〜。どうせ登っても何もしないじゃん〜〜〜〜。
・・・
「何もしない」・・・?
待って・・・
もしかして・・・「何もしない」んじゃなくて・・・
「何もできない」
が正しいんじゃ・・・・?
僕は、気がついてしまった。
この家には遊ぶスペースがない

この家には当時、そこそこ大きめのキャットタワーと小さめのキャットタワー、あとはネズミのおもちゃや猫じゃらしがあるだけ。残るは人間の歩数で言えば4歩くらいしか歩けないスペースだけだ。
今思えばどう考えたってありえない空間なのだが、当時は無知過ぎて何も考えていなかった。
ポポロンのあの顔を思い出し、色々と気がかりになり、僕は猫について少し学んでいこうと考え始めた。
ネットで得られる情報はとにかく読みまくり、必要であれば本も買ったし岩合さんの番組も見まくった(バイブル)
そこで、何を見ていても確実に目にする重要な情報を知ることになった。
猫は上下運動が最も大事

そう、このブログでも何億回も言っている通り、猫は横に走ったりする運動より、登ったり降りたりする運動の方がエネルギーを使い、運動不足やストレスを解消できると言うのだ。
こうして、少しずつ知識をつけていった僕は、ひとつ知見を深める度、現実を突きつけられたのだ。
「お前みたいなもんは猫と暮らす資格ねーぞ」
と。
そう、僕は本当にただ猫が好きなだけのクソ野郎だったのだ。
檄狭の家、仕事も同じ空間でやるもんだからギターも弾く、音も出す、猫グッズも少ないし、それを解消するようなことすらできていないし、挙句引っ越しは今は無理。と諦めてもいた。
にもかかわらず、ご飯を一定の時間に出す、トイレを掃除する、病院に連れて行く、そんな当たり前中の当たり前をただやっていただけの分際で
「十分に幸せな環境になっているはず」なんて思っていた。
カスすぎるな。自分。
知識を入れれば入れるほど、自分のクズさ加減が浮き彫りになり、自分に嫌気がさしていった。
たくさんの情報を吸収し変わっていく僕
気付けば
「少なくとも、こうやって猫たちの研究をしている方たちの書いている本や論文は、正しいものなんだ。ここに書かれていることを猫たちが自由にできる環境にないと、幸せにしてあげられてるなんて言えない!!!」
と思うようになっていった。
あのポポロンの訴えは
「ねえ、この家、登れるところがキャットタワーしかなくてつまらないよ」
という抗議の目だったのだ(と思うことにした)
そうだよね。走れない、登れない、遊べない、グヘグヘ言ってるおっさんがいつも近くにいる、こんなの、最低だよね。
改めてみんなと過ごしてきた数ヶ月〜数年を思い返して、みんなの大切な時間を奪ってしまっていると言うことに気がついた僕は、みんなに謝罪をし、この日から変わることを誓った。
「僕は、みんなのために、家を建てる。絶対に。」
僕がみんなへの本気の恩返しを決意した瞬間だった。
次回
家を建てる前に・・・〇〇を買おう。
乞うご期待
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