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借金1000万作曲家の人生を変えてくれた猫の話第22話「約束の左脇」

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地獄の日々は体感が長い

当時の体感はこの状態が半年くらい続いていたような感覚だったのだが

実際にはたった数日。(しかもゴールデンウィーク)

管理のためにも、僕の気が狂わないためにも、1分単位で記録を付けていて気持ち悪かったな。自分。

10:31 動いた

10:32 うんこ

10:33 してない

10:34 寝た

10:35 寝てる

10:36 右手がピクってなった

10:37 目空いてる

みたいなわけわからん日記を書いていました。今見返してもなんの意味があるのかわからん。しかしなんかやってることで安心したい自分がいたのだと思う。

ポポロンはインターフェロンの効果で、他の子達は謎の自主治癒力で、よくなっていった。

しかし、リュックだけは、謎

傷も良くなってる。吐いてもない。

見た目には元気そう。

なのに、食べない。飲まない。

吐きまくるみんなを遠巻きに見て、寝て、を繰り返していて、みんなが治った後も、なぜかずっと、悲しげな表情だった。

先生にみせても

先生
先生
うーん。どこも問題ないんだけどな、、なんでだろう、、、抜糸もしちゃえるんで、しちゃいましょうか、、

と傷も抜糸も普通にできちゃって順調、なのに食べない原因はマジでわからず、、

そこからリュックは数日まともにご飯も食べず、背骨が浮き出て骨ばってしまっていた。

「このまま、一生食べられなくなったらどうしよう」

「動けなくなったら、どうしよう」

ただひたすら考えたくもない嫌な予感だけが脳裏をめぐる。他のことなんて何も考えられない。

一家の大黒柱リュックは、猫たちの様子だけではなく、そんなよもや死にかけの僕のことも、見守ってくれていた。(いやいや、お前の心配してんだぞ、と思った記憶)

そんなふらふらのはずのリュックが歩き出した。

どこに?そんな疑問は秒で解決した。

行き先は我が家に来た最初の瞬間からのお決まりの場所

“約束の左脇”(参照 第4話)だった。

あの時の手の感覚は今でも鮮明に残っている。

苦しかった、辛かった。泣くしか出来なかった

「ごめんごめんごめん、ほんとにごめんなにもできなくてごめん」

あの日僕は人生で1番謝罪した。強く抱きしめるのすら憚られるほど骨ばった体をエアーハグしながらとにかく謝った。

僕の家になんて来たから、こうなったのかな

僕のせいなのかな

全て自分の責任に感じた。

痩せこけたリュック

あまりのショックに写真を残す余裕もありませんでした。

あの日、小さな小さな二匹を迎え入れた日から随分と大きくなった。

あの時は2匹で脇に入ってすやすや寝れるほどの大きさだった

今では左脇が取り合いになりすぎて第二次左脇大戦が勃発するくらい、大きくなった。

それなのに、そのはずなのに、痩せこけて、まるであの時の、子猫のリュックが脇にいるようだった。

その瞬間僕の左脇の記憶が僕の脳みそに語りかけてきた

「おい、お前、こいつらを幸せにすると、あの日、この左脇に誓っただろうが、ブスのくせに泣いてばっかいるなみっともない」

このくらい強めのカツを入れられた。左脇に。

いつ僕が左脇にそんな深いことを誓ったのかは覚えてないが、リュックはこうして、

「どうしてそんなに元気ない?俺が左脇にいないからか?いつも通り左脇で寝てやるよ。だから心配するな」

という約束を、守ってくれてる。こんなに、大変な状態なのに。

それなのに、自分はなんて弱いんだ。

それなら僕も約束、守らなきゃ。

なんでついでに股で挟んどんねん写真

あの1週間2週間は本当に本当に辛くて、自分が人生を諦めそうになるほどでした。

全てから逃げたくなって、でも、回復していくみんなと、一生懸命“約束の左脇”に来てくれるリュックを見て、こんなところで負けちゃいけない。

辛いのは、僕じゃない、リュックなんだ。

何してんねん!自分は!バカか!クソが!

と奮い立ちました。

しかし奮い立った時間が悪かった

なんと時刻・・・

深夜2時半

学のない僕は思い立った勢いのまま、病院に出るわけのない電話をかけた。

次回

いや、電話出るんかい

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